感染根管に対して歯内骨内インプラントを除去し逆根管充填後PRGFを用いて骨の再生を図ったケース|福山市御門町の歯医者 やまもと歯科

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症例

感染根管に対して歯内骨内インプラントを除去し逆根管充填後PRGFを用いて骨の再生を図ったケース

39歳男性 左上の前歯の歯茎を押さえると痛い、という訴えで来院されました。

 

⭐️左上中切歯の現病歴

 小学生の時、外傷により脱臼し、大学病院にて歯内骨内インプラントを用いて再植した。

 30歳の頃、痛みがあり再び同大学病院を受診したら、悪くなっていたとのことで歯内骨内インプラントは除去し、歯根端切除術を行ったが、その後、担当ドクターが転勤となり、5年前から経過観察には行ってない。

 

初診時の状態です。

歯内骨内インプラントとは歯根を貫通し骨体内まで到達するように位置するインプラントのことです。

過去において歯周疾患により動揺度が過大な歯に対して用いられていたと聞きますが、10年前に歯学部を卒業した私は大学で習ったことも見たこともありませんでした。

現在では用いられることがないひと昔前の治療法です。

レントゲンではインプラントのようなものは写っておらず、除去されているものと想定し、通法通り、感染根管治療を行うこととしました。

 

 

術前のCT画像です。

左上中切歯(左上1)は歯根端切除を受けたとのことで根尖は著しく短く、また、唇側の骨は大きく欠損しています。

同部位の歯肉に圧痛を認め、時々疼くという症状もあるため、何らかの起炎因子の残存が考えられました。

 

ところが、根管充填がされていないように見える左上中切歯の根管がいつまでも追従できず、マイクロスコープにてよくよく観察すると、レントゲンでは写っていない異物を確認することができました。

マイクロスコープで慎重にその異物を除去すると、歯内骨内インプラントと思われるものが除去できました。

患者さんの話では9年前に除去されたとのことでしたが、おそらく当時、大学病院にて歯内骨内インプラントの除去は困難と判断され、歯根端切除のみで対応されたものと推測できます。

歯内骨内インプラントでは根尖部は封鎖できておらず、その後、感染を惹起したと考えられます。

その後、エルビウムヤグレーザーなど、特殊な機器も用いて根管内を可及的に洗浄し、MTAセメントおよびガッタパーチャにて根管充填を行いました。

しかし、根尖が著しく破壊されており、根尖孔外は予想できない状態となっていると判断し、歯根端切除術も行う計画を立てました。

 

切開線の設定です。

CT画像にてかなり根尖側(鼻の近く)の骨に穴が空いていることがわかります。

広範囲の骨の再生が必要と判断し、上皮の侵入を防ぐ目的もあり、骨補填材を用いることとしました。

今回は患者さんご自身の血液を採取し、遠心分離機にかけることで、PRGF(組織の治癒と再生を促進 するために自己血から獲得した未活性増殖因子を多く含んだ多血小板血漿)と補填材を混和したものを用いました。

この技術は、多用途性、安全性、有効性は個別化医療への道を開き、現在、とりわけ口腔や顎顔面の手術、口腔インプラント、整形外科、潰瘍治療、スポーツ医療、再生医学を含む非常に多数の医療と科学の現場で活用されています。

 

エルビウムヤグレーザー等を用いた徹底的なデブライドメント後、MTAセメントにて逆根管充填を行いました。

その後、準備していた補填材を補填しました。

縫合後の状態です。

 

オペ後、痛みは腫れなどの症状は落ち着きました。

 

歯科治療は教科書通りには行かないことが多く非常に奥が深いものです。

今回は歯内骨内インプラントという非常に珍しいケースですが、

歯科医師である以上、予想外の事態に遭遇した時、ベストな対応がとれるよう、

常に新しい技術や知識を習得し続けていく必要があると改めて考えさせていただきました。

 

また、温故知新という言葉がありますが、時には過去に遡って歯科の歴史を勉強する必要があるなとも思いました。

 

歯やお口のことでのご相談なら、やまもと歯科へどうぞご連絡ください。

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