症例6 右上中切歯に対してジルコニア冠を用いて前歯部の審美障害を改善した症例
53歳男性
前歯の見た目が悪いので人前で笑えないというお悩みで来院されました。
前歯(右上中切歯)にはレジン前装冠(金属のフレームに樹脂を盛った被せ物)が装着されており、歯茎との境目が黒く変色しています。
レジンは経年劣化が起きる材料であるとお伝えしたところ、体に優しく、長持ちし、虫歯や歯周病の再発が起きにくく、見た目も綺麗なものをご希望されたため、ジルコニアクラウンによる補綴処置を選択しました。
術前の状態。
レントゲン上では金属の補綴物(被せ物)は白く写ります。
矢印の部分は補綴物と歯との間に隙間がある状態です。
歯を長持ちさせるためにはこのような補綴物は不適切と言えます。
このままでは、神経の処置をしてあるため虫歯になっても痛みは出ず、自覚症状もないままゆっくりと虫歯が進行していき、歯がなくなっていきます。
現在はひと昔前と比べ、歯の色だけでなく、形態や長さ、左右の対称性など、患者さんの審美的要求もバリエーションが多くなってきており、歯科医師としてそれらにお応えする際は入念な検査と術前のコミュニケーションが大切になってきます。
この患者さんは歯の色だけでなく形態を左右対称にしてほしいと言われました。術前に歯の縦横比率や歯茎ラインなど、詳しく検査します。
古い補綴物を除去し、根管治療(歯の根の中の感染物質を除去し、緊密に封鎖する処置)を終え
新しい補綴物を作製するため、印象採得(型取り)をします。
精密な印象採得をするため、歯肉圧排(歯の周りに一周糸を入れ、歯と歯茎の間を押し拡げる処置)をしているところです。
左はシリコーン印象を行った状態です。
シリコーン印象は現在もっとも再現性のある印象材料として認められていますが使用に関しては熟練された技術を要します。
右は印象を元に作製した石膏模型です。歯肉圧排により、補綴物のマージンが明瞭に再現されています。
出来上がった補綴物です。色調の再現が難しかったですが歯科技工士とうまく連携をとることで
審美的な結果を得ることができました。
前歯部の審美歯科治療では
治療中、プロビジョナルレストレーション(仮歯)を作製し、適切な形態を模索する期間があります。
今ケースではプロビジョナルの形態をファイナルへうまく移行することができたため、歯周組織に調和した補綴物を作製することができました。
レントゲンにて術前にあった補綴物と歯の適合不良は改善されていることがわかります。
患者さんには、「正直、ここまで綺麗になるとは思っていなかった」と大変満足していただけました。
セラミックは金属やレジンと比較して、錆びたり劣化しにい材料です。
また、表面に汚れがつきにくいため、歯周病や虫歯の再発を防ぐことができ、現在もっとも信頼できる材料であると思います。
費用 ジルコニアクラウン 税込110,000円(5年保証あり)
本ケースにおける詳細
主訴 :前歯を綺麗にして欲しい
診断名:上顎前歯審美障害
年齢 :53歳(初診時)
性別 :男性
治療期間・回数: 約3ヶ月・約10回
治療方法:右上中切歯に、感染根管治療後、レジンコアにて支台築造を行い、ジルコニア冠にて歯冠修復を行った。
費用: ジルコニアクラウン 税込110,000円 (5年保証)保証期間内の通常使用による破損には無料で補修対応致します。
リスク・副作用
根管治療により、術中、術後に痛みや違和感が出現する場合がある。
通常の根管治療において奏功しない場合、外科的処置や抜歯が必要になる可能性がある。
経年的に歯根破折が起き、抜歯が必要となる可能性がある。
失活歯は歯根破折が起き抜歯が必要となる可能性がある。
修復物は経年的に劣化、磨耗または破損することがあり再製作が必要となる可能性がある。
患者が非常に喜んでくださりとてもよかったです。
今後も患者様にとってもっともいい治療方法が提供できるよう努めてまいります!
今ケースは自由診療ですが、やまもと歯科では保険診療も行っています。
歯の見た目のことでお悩みの方はやまもと歯科にお気軽にご相談ください。
福山市 御門町の歯医者 やまもと歯科