再生医療(PRGF-Endoret療法)とは
PRGF-Endoretは再生医療の1つです。「PRGF」は、Plasma(血漿)、Rich(豊富な)、in
Growth(成長・増殖)、Factor(複数の因子)の頭文字を取った略称であり、増殖因子(成長因子)を多く含む血漿(けっしょう)を表します。
PRGFが他の再生医療と異なるのは、ご自身の血液中に存在する成長因子を活用し、組織の修復や再生をめざすという点です。
新しい再生歯科医療技術を取り入れ、不足している骨を再生する治療法として、歯周病や親知らずの抜歯後、インプラントなどのさまざまな治療に適用可能です。
増殖因子(成長因子)とは
増殖因子(成長因子)とは、再生に関与し、細胞間の情報を伝達する特定のタンパク質です。細胞の増殖と分化を誘導し、骨や筋肉といった組織の修復や再生に必要なメカニズムを担っています。
PRGF-Endoretを
行うメリット
骨や上皮の治癒スピードが速く、治療期間が短くなる
成長因子が組織の再生を促進し、骨や上皮の治癒スピードが加速することで、治療期間の大幅な短縮が期待できます。
インプラント治療では、多くが従来の半分の治療期間になり、親知らずの抜歯といった外科処置にも効果を発揮します。
治療後の「痛み・腫れ」を軽減
「歯を治療した後は痛みや腫れが怖い」と思っていませんか?
痛みや腫れを引き起こす原因は「炎症」が関係していますが、PRGF-Endoretは炎症を抑える作用が期待できます。
治療後の痛みや腫れを軽減し、ストレスの少ない治癒につながります。
安心安全な自己由来成分を使用
薬剤や他の動物由来の製剤ではなく、ご自身の血液に含まれる成分を使用します。
自己由来分のため、副作用やアレルギーの心配がほとんどありません。EU(欧州連合)でのCEマーク、アメリカではFDAなどの認可を取得しており、世界でも数多くの症例がある治療法です。
他の再生医療との違い
PRGF-Endoret以外にも、さまざまな再生医療が存在しています。しかし、多くは他種(ウシやウマなど)のタンパク質や骨、高温処理した他人の骨、豚の歯胚から成長因子を取り出した材料などが主流です。
PRGF-Endoretなら、ご自身の血液中に存在する軟組織や骨組織の成長因子を使用するため、より安全性の高い再生医療といわれております。
PRGF-Endoretを用いる
主な症例
インプラント治療を行うための、骨が不足している場合
骨量が少なく、骨が痩せていて十分な厚みがない場合は、インプラント治療の安全性に悪影響を及ぼす可能性があります。骨が不足する原因は歯周病以外に、体質的に骨が薄い場合や加齢なども考えられます。
PRGF-Endoretで事前に骨増生を行うと、「骨が足りない」と診断された場合でも、インプラント治療が可能になるのです。また、十分な骨量を確保できることで、治療期間の短縮も期待できます。
歯周病によって、骨が減少してしまった場合
進行した歯周病では、歯周病菌の毒素や炎症が原因で、歯を支える歯槽骨が溶けて骨がなくなる「骨吸収」が生じる恐れがあります。
治療ではまず歯石を丁寧に除去し、骨吸収が認められる場合にPRGF-Endoretを応用します。骨再生により歯のグラつきが抑えられ、健康な状態へと回復しやすくなるのです。
親知らずの抜歯後、骨が必要となった場合
抜歯後は、骨や歯肉の損傷が少なからずみられます。骨の欠損部にPRGF-Endoretを入れることで、骨や歯肉の再生や傷口の回復を促進でき、抜歯後の痛みや腫れも軽減できます。
PRGF-Endoretは、歯科以外でも用いられている安全な治療法です
歯科(抜歯後、歯周病などを原因とする歯周組織の欠損、上顎洞挙上、インプラント周囲組織など)の他に、医科でも幅広い症例に適用している治療法です。
- 整形外科(骨・筋肉・腱・靭帯・軟骨などの損傷)
- 皮膚科(皮膚の損傷・やけど)
- 美容外科(シワやたるみ・リフトアップ・エイジングケアなど)
- その他の診療科(一般外科・形成外科・血管外科・眼科など)
再生医療
(PRGF-Endoret療法)の流れ
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Step01
採血
患者さんから採血します。
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Step02
遠心分離
専用の機械で、血液を遠心分離します。
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Step03
血漿を加工
成長因子が多い血漿を取り出し、加工します。
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Step04
患部に鎮入
患部に入れ込み、組織の再生を促します。
再生医療
(PRGF-Endoret療法)の料金表
PRGF-Endoret(1箇所) | 110,000円(税込) |
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再生医療(PRGF-Endoret療法)を行う際の注意点
- 治療後は患部が回復するまでに、痛みや炎症が一時的に生じる可能性があります。
- 感染症の発症、もしくは特定の疾患(重度心臓病、先天性血液凝固因子欠乏症、白血病、人工透析の利用、末期の悪性腫瘍)を患っている場合は、治療をお断りする場合があります。
- 採血により、腕の内出血や手の痺れを感じる方もいらっしゃいます。症状は一時的であり、時間の経過とともに治まりますのでご安心ください。(一般的な採血方法を用いています)
症例紹介
当院では、患者さんのお口の状態に合わせた幅広い診療の症例をご紹介しております。