症例4 左下第一大臼歯に対して矯正的挺出により歯の保存を図った症例|福山市御門町の歯医者 やまもと歯科

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やまもと歯科 症例集 『一期一歯』

症例4 左下第一大臼歯に対して矯正的挺出により歯の保存を図った症例

47歳男性。

主訴 左下の奥歯が欠けていて痛い

 

初診時の状態です。左下第一大臼歯(奥から2番目の歯)はインレー(金属の詰め物)が装着されていますが

その下に大きな穴が空いている状態です。

レントゲン撮影したところ、虫歯が歯髄(歯の内部の神経や血管などの組織)にまで及んでいることがわかります。

このままでは根管内(歯の根の内部の歯髄が存在していた管)に細菌がどんどん侵入していき、いずれ顎の骨にまで

大きな炎症を引き起こす可能性があります。

また早期に手をつけないとこの歯は保存(抜歯せず機能させること)することができなくなってしまいます。

本症例のように、虫歯が骨の近くにまで及んでいる場合、虫歯を除去すると、歯の頭が全くなくなってしまうため

再び、補綴物(詰め物や被せ物)を装着することができなくなってしまいます。

よって根管治療後、矯正的挺出を行います。

 

 

 

更に虫歯が進むと歯は根っこだけになってしまいます。

 

 

 

 

 

矯正的挺出とは写真のように両隣の歯に針金を装着し、ゴムなどを用いることで頭がなくなってしまった歯を

引っ張り上げる処置のことです。(写真は別症例)

 

 

 

装置を装着後、2週間ほどで必要な分、歯の頭が出てきました。

この症例のように複根歯(歯根が2つ以上ある歯)では挺出させる量に留意しないと

分岐部病変(複根歯において歯根の又の部分に骨の欠損が生じた状態)を惹起する恐れがあるため

挺出量は慎重にコントロールします。

 

 

その後、挺出とともに盛り上がってきた余分な骨を削除する処置を行います。

 

 

 

 

分岐部病変を生じることなく、必要最低限の挺出量をコントロールできました。

歯槽骨も平坦化しており、歯槽頂線も明瞭になってきている様子がうかがえ、健全な歯周組織の再構築と、

補綴(被せ物のこと)によって機能回復も達成することができました。

今後は、挺出した歯は歯根が細くなるため歯間ブラシやフロスの仕様は必須となります。

この歯をどこまで持たせる事ができるかは今後のメインテナンスにかかっています。

 

こういった、もともとハンデのある歯を残すことによって、

患者さんと医院が、歯を持たせる意識を共有することができ、患者さんの意識が高まることで

結果的に、他の歯も含めてお口の中全体の健康に保つ事ができるのではないかと当院は考えます。

 

 

 

 

本症例の詳細

主訴 :左下の奥歯が欠けていたい

診断名:左下第一大臼歯 慢性根尖性歯周炎 歯肉縁下う蝕

年齢・性別:47歳・男性

治療期間・回数:約3ヶ月・約15回

治療費用:ゴールドクラウン 税込110,000円(治療当時)

治療方法:感染根管治療後、矯正的挺出および歯冠長延長術を行い歯冠修復治療を行った。

デメリット・リスク:

外科処置を伴うため、手術後、まれに唇、舌、頬、歯肉そして歯牙の感覚マヒが一時的に発生する場合もあります。 また、近接歯牙、顎、上顎洞、鼻腔に対する炎症、疼痛、過敏症、組織治癒の遅延及び顔面部の内出血(紫斑や黄斑など)が避けられない方もまれにおられます。 術後、3~4日目になると腫れ止めが切れるため傷口が腫れてきますが、殆どの場合、1週間程度で傷口は治ります。

・術中に、歯や骨の状態により手術内容が予定より変更することも起こりえます。

・喫煙、飲酒は正常な治療の妨げとなります。術後1週間は控えてください。

・処方された薬剤の服用により吐き気、めまい、眠気、咳、お腹が緩くなるなど一時的な副作用が現れることがあります。

・治療後の長期安定性は、口腔衛生状態、喫煙の有無、喫煙者の協力度、咬合力、咬み合わせ、骨量、歯肉量、歯磨きの状態等により変化します。

 

矯正的挺出に限らず、様々なオプションで歯を残すために全力を尽くします。

ご相談だけでも、いつでもどうぞ。

 

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