症例8 自家歯牙移植
38歳女性
右下の奥歯が噛んだ時に痛むと訴えられ来院されました。
右下は第二大臼歯(奥から2番目の歯)の銀歯の下に大きな虫歯があり
第一大臼歯(奥から3番目の歯)には根尖病変および分岐部病変を認めます。(青◯のところ)
第一大臼歯(右下の奥から3番目の歯)は感染根管治療を行いましたが、症状は治癒せず保存不可と診断しました。
患者さんとお話しし、
①仮歯にて経過観察を続ける
②抜歯してブリッジによる補綴
③抜歯してインプラント
④右下の一番奥(親知らず)をドナー歯とし自家歯牙移植
のプランについてそれぞれメリット、デメリット、リスクについてお話ししたところ
④右下の一番奥(親知らず)をドナー歯とし自家歯牙移植 を選択されました。
術前にはCTにおいて、ドナーとなる親知らずの形態、長さ、太さ
移植床となる部位の骨欠損の大きさ、顎の骨の中の神経(下歯槽管)までの距離
などを測定し、シミュレーションを行います。
オペ当日の状態です。
移植した親知らずは糸で縫合固定しております。
右は自家歯牙移植後2年後の状態です。
術前にあった黒い影も消失しており、現在のところ症状も全くない状態で推移しております。
本症例の詳細
主訴 : 右下の奥歯が噛んだ時に痛い
年齢 : 38歳
性別 : 女性
治療期間・回数 : 約1年
移植した歯の神経をとる場合や取らない場合、被せ物をする場合やしない場合など、
症例によって様々です。自家歯牙移植はインプラントやブリッジを選択する前の一つの手札として非常に有効な手法です。
歯の形態や大きさなどによっては行えない場合もありますが、機能していない親知らずがある場合は、一度検討してもいいのかと思われます。
ご相談はいつでもお気軽にどうぞ。
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