症例35 臼歯部にインプラントを用いて咬合再構成を行い、機能性と審美性を改善した一症例|福山市御門町の歯医者 やまもと歯科

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やまもと歯科 症例集 『一期一歯』

症例35 臼歯部にインプラントを用いて咬合再構成を行い、機能性と審美性を改善した一症例

 

 

初診時の状態です。

全体的に悪いのでしっかり治したいということで来院されました。

前歯は上下ともにセラミック冠による治療が過去に行われていますが、歯茎が下がっている部分や二次虫歯(治療した被せ物や詰め物の周りや下が虫歯になること)になっており、また歯周病により歯茎が腫れている状態でした。

虫歯が進行し残根状態の歯も複数認めます。

奥歯は歯を抜いたところがそのままになっており、噛み合わせを安定させる部分が全くない状態であり、食事の際もうまく噛めない状態でした。

 

 

 

 

治療終了後の状態です。

 

 

 

石膏模型と、作製された補綴装置の写真です。

セメント層を最小限にすることと、適切なエマージェンスプロファイル(歯が軟組織から飛び出す前の付着上皮、歯肉溝あたりあたりから、飛び出した先の歯肉縁を過ぎたサービカルピーク付近までを含む、歯と軟組織の連なる部分)を付与するために写真のようにスムースで明瞭なフィニッシングラインの設定と精密な作業用模型が必要となります。

また、トランジショナルラインアングルの部分をしっかりリダクションすることで、ストレートエリアがコンベックスな形態とならないよう留意しています。

本症例は比較的歯肉が厚いタイプであり、こういったケースは歯肉が薄いタイプよりも、審美的な補綴装置を長期に安定させることは非常に難しいと考えています。

厚い歯肉の場合、十分なティッシュリテンション(歯肉の創世、成長を妨げずに付与した補綴装置と歯肉が生理的に接触する部分の状態)を適切に与えないと、歯肉がロール状に炎症を起こしてしまうことがあります。

適切なエマージェンスプロファイルの調整幅をかせぐために、意図的に歯肉縁下深くにフィニッシングラインを設定しています。

 

 

 

 

 

治療後の状態です。

術後間もない時期の状態の写真ですが、歯肉に対して十分なティッシュリテンションが与えられている様子が伺えます。

 

 

 

 

 

治療前後の比較です。臼歯部に対しては計10本のインプラントを埋入し、残った全ての歯(14本)に対しては、セラミック冠による補綴治療を行なっています。

 

本症例の詳細

主訴:全体的に悪いので治療したい

診断名:広範型慢性歯周炎、審美障害、適正なポステリアサポートおよびアンテリアガイダンスの欠如

年齢 :57歳(初診時)

性別 :女性

治療期間:約4年(途中、約1年間の中断期間を含む)

治療方法:歯周基本治療後、歯肉縁下う蝕によりスープラクレスタルティッシュアタッチメント(生物学的幅径)が侵襲されている歯に対しては矯正的挺出および臨床歯冠長延長術を行なった。歯槽骨ごと歯が挺出していた左下45に対しては、適切な歯冠長の獲得と歯頚ラインおよび咬合平面の是正のため、臨床歯冠長延長術を行った。欠損部に対してはインプラント埋入を行なった。その際必要部位に対してはGBRを併用している。一連の補綴前処置終了後、インプラントに対してはアバットメントおよび上部構造を、歯に対しては補綴装置を装着し、補綴処置により咬合回復を行った。

費用:税込 5,259,200円(3ヶ月〜6ヶ月毎のメインテナンスの受診を条件に、保証期間内の通常使用による破損には補修対応いたします)

デメリット・リスク:

・治療の途中で口腔衛生状態の悪化など、治療期間の延長、治療方針の変更、抜歯などが必要になることがあります。

・術中に、歯や骨の状態により手術内容が変更となることがあります。治療は生体の状態、反応をみながら進めて行きます。当然個人差があり、計画した期間が変更されることがあります。

・口腔清掃の不備、悪習癖の改善努力、予約日時を守らない方の場合、治療がうまく進行せず治療期間が長引くだけでなく、治療結果が得られないことがあります。

・歯冠修復治療後、口腔清掃の不備、歯ぎしり、喰いしばり等の悪習癖の悪化などにより虫歯や歯周病の再発、修復物の破損や歯根の破折、歯髄壊死等が起こった場合、再治療が必要となります

・骨増生、インプラント治療は外科処置を伴うため、手術後に、まれに唇、舌、頬、歯肉などの感覚麻痺が発生する場合があります。 また、近接歯、顎、上顎洞、鼻腔に対する炎症、疼痛、過敏症、組織治癒の遅延及び顔面部の内出血(紫斑や黄斑など)が起こる可能性もあります。術後は周囲の組織が腫れることがありますが、殆どの場合、1週間程度で傷口は治ります。

・外科処置後は喫煙、飲酒は正常な治療の妨げとなりますので術後1週間は控えてください。

・外科処置後に処方する薬剤の服用により吐き気、めまい、眠気、咳、お腹が緩くなるなどの一時的な副作用が現れることがあります。

・治療後の長期安定性は、口腔衛生状態、喫煙の有無、喫煙者の協力度、咬合力、咬み合わせ、骨量、歯肉量、歯磨きの状態等により変化します。また口腔内を維持するためには定期的なメインテナンスが必要になります。

・本症例はインプラント治療の一例であり、手術回数、手術方法、上部構造の固定方法、治療期間など症例ごとに異なります。また全ての症例が同様の結果となるわけではございません。

・欠損部に対する補綴治療は、部分床義歯、ブリッジ、ダイレクトブリッジ、インプラントなど、様々な選択肢がありますがどれが優れた手法というわけではなく、症例に応じて適切な手法を選択する必要があります。

・歯科治療は医院と患者様の二人三脚です。患者様の良くなりたいというお気持ちと、こちらの意向に対するご理解とご協力がなくては良好な結果は得られません。患者様のご協力に心から感謝申し上げます。

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